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熟れていく味

“牡蠣の洗飯”
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最近、美味しい物を教えてもらえる機会が多くてホクホクしている。
台湾の豚肉のそぼろ、みたいな美味しい『素材』を教えてもらったり、
牡蠣の洗飯、みたいに「作り方」を教えてもらったり。

先日は、自己流レシピで台湾の豚肉のそぼろとキャベツのパスタを作った。
先々日は、レシピに忠実に牡蠣の洗飯(牡蠣のスープかけご飯)を作った。
美味しいけど、もっと美味しくなる方法あるかも?と研究中。

教えてもらったコが、だんだん熟れて「うちのメニュー」になっていく過程が好きだなぁ、としみじみ思う。
ちょっとずつ我が家の好みが入って、作り慣れた横着とかが入って、いつの間にか我が家でしか食べられない味に変貌していくその醍醐味。
そういう面でも、料理が好きなんだな、きっと。

なんか、写真とかもそんな感じかもしれない。
ちょっと変な比喩だけれど。

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フィルムをスキャン

“ノスタルジァ”
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OM-1で撮影したネガフィルムを、スキャナで読み込んでみた。
当たり前なんだけれど、解像度が落ちて、ノイズが入って、
でも、それを逆手に取って古い写真みたいに加工するのも面白い。

おばあちゃんの引き出しから出て来た、昔の絵葉書みたいな雰囲気。
出せたらいいなと思うけれど、プラスチックのケースが。。。あらら。(苦笑)

(撮影地:春風秋月

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見たり 撮ったり 買ったり

“旧朝香宮邸”
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東京都庭園美術館へ「田原桂一 光の彫刻」を観に行って来た。
写真の展示形式が、自然光を取り込んだり、窓に布にプリントした写真を嵌め込んだりしてるのが面白い。特に、バスルームが好きだった。観る時間によって、展示物の表情がガラリと変わるであろう仕掛けはなかなか。
展示場所が、旧朝香宮邸というのも秀逸。
大きな声では言えないが、展示品より建物にかなり魅かれてしまった。
館内写真撮影禁止なのが口惜しいわ、ていてい。
口惜しいので、庭の写真をいっぱい撮ることに。

帰りに、新宿のヨドバシカメラでスキャナとカメラ本(エッセイ)を購入。
本当は、E-300を触りにいったんだけれど、発売が延びてたらしい。
がっかり、でも、また遊びに行く口実が出来た。
エッセイを読んでいたら、ハッセルブラッドが欲しくなって来る。
何処まで続くか、カメラ道楽。
ま、ハッセルは無理だけど、デジタル一眼レフは必ず!

追記
マメシボリ更新。
被写体は、井の頭公園にて演奏中のアコギ二人組。
本日の午後撮影しました。
ハイテンポなゴンチチって感じで気持ち良い音楽でした。

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プーアルとチーズ

“お皿がないから”
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今回のお題は、チーズと中国茶は合うか?
経験的に、あまりくどくなく甘くないチーズに、プーアルか岩茶の組み合わせなら、と思っている。
が、あまり積極的に合わせようとは思わない組み合わせ。

が、青柳さんがクレイルのまだ若いチーズを持って来て下さったことで、印象は一変。
プーアル散茶とチーズ、いける。かなり、いける。
まぁ、お茶が極上のプーアルなせいもあるのだろうが。

まだ固い印象の若いチーズは、月餅の塩卵入りの餡に似ている。
似ているが、若いチーズの方が更に淡白で後味が軽いのだ。
適度の塩気と微妙なタンパク質のコテッとした感覚が、お茶の甘味と重みで流れる。
その時に口の中に、お互いの相乗効果の旨味がぶわっと出て来るのだ。
熟成が進めば、こうはいかないだろう味わい。チーズの臭みがお茶に勝ってしまうだろうから。

しかし、チーズにあうとなると、プーアルとワインの類似ポイントがまた上がってしまう。
どちらも好物だから、良いんだけれど。

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チーズとお茶と

“茶会の後”
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本日は、春風秋月さんにてお茶会。
チーズと焙煎の強いお茶はあうなぁ、プーアルも良いなぁ、というお茶会。
詳細は、また。

あ、本日より春風秋月さんHPにて、のーとみさんとのコラボレーション公開です。
相変わらずの、ぶっつけ本番ですが、プロの胸を借りるってことで。
のーとみさん、いつもながら、ありがとうございます。

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トリミングという行為

“トリミング”
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のーとみさんに御紹介いただいたのですが、某女性誌Fに写真を載っけていただきました。(今更伏せ字って。(苦笑))
カラー版につきましては、数日中に春風秋月さんのHPにて御覧いただける事になるかと思います。
きっかけをいただいた、のーとみさんに多謝。

ところで、雑誌に載せていただきました画像、当然ですが誌面の都合上、加工されております。
サイズ変更、及び、トリミング、色の削除などなど。
このトリミングが、自分でやるのと、他人にされるのがここまで違うかと思いました。
単ソウの写真のあそこを切っちゃうか!とか、茉莉花茶の茶葉もちょっと回転させたら全部入るのに!とか、いろいろと。(笑)

彼方が必要とされているのは「説明の写真」、つまり、どんな茶葉なのか、という点。
対象を如何に明確に全面に出すか、と言うのが必須。
私が見せたいのは「雰囲気の写真」、つまり、こんな風な箱庭的世界が茶で作れる、という点。
それには、空間とか、テーブルとかの『余白』が必要。
こういう違いは、トリミングと言う行為に如実に反映するのだなぁと。
そういう面でも、またお勉強させていただきました。

でも、やっぱり、自分の写真は最後まで自分でいじりたいなぁ。(笑)
わはは。

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第七ノ話 時を経た茶壺 〜茶壺曼陀羅 其ノ七〜

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七つ目の夜のお話は、昔の茶壺の話。
土の色に魅せられた茶壺の話。

 愛称 :民国
 容量 :180cc
  色 :赤紫のかかった焦茶に星
 購入店:海風號
購入時期:2004年4月23日
 値段 :(私的には)清水の舞台から飛び下りた感じ
 作者 :不明
 用途 :単ソウ全般
 惚れ点:色、形、全て。
 弱点 :平たいので、茶葉が捨てにくい&洗いにくい。

実は、一目惚れではなかった。
矯めつ眇めつしているうちに、手放せなくなっていった。

中国が、中華民国という名だった頃の作。
平たいフォルムと、チョコレートブラウンの土色。
滑るような肌触り。流れるような漢字の並び。
全くの類似品を見る事はないだろう点も、気に入った。
多分、もっと良い、もっとすごい茶壺はいくらもある。
でも、この茶壺に魅せられたのだ。

使い始めて、一ヶ月も経たないうちに茶壺は育ち始めた。
光の加減によるのだが、微妙に赤紫がかって見えるようになったのだ。
設楽さんによると鉄の混ざった土だからとのことだったが、こんな変化を見せる土には会った事がなかったので、非常に面白く使っている。

また、茶の味に関しても、茶壺対決の際に分かったのだが、きっちり全ての味わいを出してみせてくれる茶壺だ。
丁寧な仕事をする職人、そんなイメージである。

結局のところ、土の持つ力が茶壺をこれだけ良い道具に仕立て上げている。
今はもう出ないであろう、そんな土が、普通に茶を美味しくしていた時代。
私の祖母や曾祖母が生きていたであろう時代のものが、私の手許にある。
多分、ずっとずっと使い続けるだろう。。。


実は、一目惚れではなかった。
使い続けているうちに、離れられなくなってしまった。
そういう茶壺に出会えた。

      。。。番外ノ話へ続く

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第六ノ話 人の手を経た茶壺 〜茶壺曼陀羅 其ノ六〜

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六つ目の夜のお話は、人の手を経て辿り着いた茶壺の話。
店を介さずに買った茶壺の話。

 愛称 :くんしゃんさん
 容量 :160cc
  色 :くすんだ煉瓦色
 購入店:第一回フリマ茶会
購入時期:2004年8月06日
 値段 :破格
 作者 :不明
 用途 :青茶全般
 惚れ点:林檎のようなフォルム。
     割に注ぎ口が広く、注ぎ易い。
 弱点 :ちょっと焼きが堅い。
     元の持ち主のポリシーにより茶渋が。。。(笑)

夏に行われた第一回フリマ茶会で、手に入れた茶壺。
詳細は以前にも書いたけれど、くんしゃん氏が二年間台湾茶で育てたもの、とのお話であった。

自宅に帰り、元の持ち主のポリシーに従い茶渋がこってりの茶壺を、新しい持ち主(つまり私だが)のポリシーに従いビカビカに磨きあげた。
ちょうどその作業をした日のくんしゃん氏のブログのお題が養壺で、
『養壺に正解はない!オイラは茶渋付きが好きなんだぜぃ!』
と吠えてらっしゃった。あまりの偶然と言うか皮肉と言うか、に苦笑いした覚えがある。

こうやって、人の手を経る毎に新しい持ち主の好みと癖にリセットされ、使い継がれていくもの。
もしも、この茶壺を私が手放す日が来るならば、くんしゃん氏に使われ、恵に使われた茶壺という小さな歴史が出来上がる。
骨董の来歴のというのは、狭義ではこういう事なのだ、と目の前で見せてもらっているのを感じる。
こういう意味合いでも、フリマ茶会は面白い。

モノに歴史あり。
時々だけでも、思い出し。

      。。。第七ノ話へ続く

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写真ブログ作りました

“OM-1”
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ようやっと、写真ブログを作りました。
まだ試作のような状態ですが、よろしくお願いいたします。
名付け親になってくださったしながわさんに感謝。
まめ小路は、こちらの名前にしようかなと。

マメシボリ写真館、見切り発車ですが、どうぞ御贔屓の程を。
ぺこり。

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第五ノ話 茶を飲む茶壺 〜茶壺曼陀羅 其ノ五〜

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五つ目の夜のお話は、茶の味を飲んでしまう茶壺の話。
素材を見て買った茶壺の話。

 愛称 :−
 容量 :90cc
  色 :赤茶に金の星
 購入店:海風號
購入時期:2004年7月17日
 値段 :一万円でお釣がきたか?こないか?くらい
 作者 :不明
 用途 :岩茶など焙煎の強い青茶
 惚れ点:冬になると饅頭のように湯気が出るらしい。
     お茶のえぐみが取れ、丸くなる気がする。
 弱点 :「落ちる」のが早い気がする。
     淡いお茶は煎れられない。

ちょうど、OZON夏の大茶会の頃、くんしゃんさんのblogで汗壺の話が出ていた。
そんな茶壺があるのか、とちょっと感心し、饅頭のようにホカホカ湯気の出る茶壺を想像し、うっとりした。
蒸籠に入っている様を想像している所が、間違っているのだが。

で、夏の大茶会に行き海風號のスペースにお邪魔すると、ちゃんとあるわけだ、汗壺が。
待たれていたのか?と思いつつ、おにぎりのような形のモノをチョイス。
可愛いというより、少々まぬけで愛嬌があるのがポイント。

家で使ってみるに、育つスピードは確かに早い。
茶のえぐみも取れるが、なんだか取れ過ぎて旨味まで持っていかれるような感じも。
諸刃の剣かなぁと思いつつ、茶壺に茶を飲まれているような養壺が続く。

なんとなく、まろやかな岩茶。
頼り無く思う日もあり、優しく穏やかに感じる日もあり。
いつか、この茶壺は自分で茶の成分を飲むのを止め、私に茶の全てを飲ませてくれる日が来るのだろうか。

      。。。第六ノ話へ続く

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週末休業

“蒼い夕暮 〜石と水と光と〜”
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昨夜は、ボジョレ−解禁タコ焼き大会にて、マイ・タコ焼き鉄板持ち込みで、焼き奉行。
本日は、那須高原へ日帰り。
週末休業、満喫しております。
英気を養って帰ってまいりましたので、茶壺話も心機一転で。

取りあえずは、本日の一枚。
石造りの建物がメインの小さな美術館にて、夕闇迫る頃に。
御笑覧下さいませ。

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第四ノ話 柔軟な茶壺 〜茶壺曼陀羅 其ノ四〜

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四つ目の夜のお話は、何でも使える茶壺の話。
頭の中も柔らかくしてくれる茶壺の話。

 愛称 :白いの or 白磁の
 容量 :180cc
  色 :白 ちょっと濁手っぽい
 購入店:海風號
購入時期:2004年1月24日
 値段 :いつもの半額くらい。(セールだったので)
 作者 :不明
 用途 :全てのお茶 (煎茶も紅茶も)
 惚れ点:黒茶も紅茶も煎れられる。
     口が大きく、茶葉が入れ易く、茶殻が捨て易い。
 弱点 :育たない(当たり前(笑))

初めて海風號にお邪魔したのは、実は今年に入ってすぐのこと。
なんだか、もっと通っているような気がするのは何故だろう。
噂のお店に行ってみたかったけれど、敷き居が高いと言う噂に躊躇していた。
一周年セールという事を聞き、えいやっと。茶仲間にくっついてお邪魔しに。
余談だが、初めてのーとみさんをちらと見かけたのも、この時だった。
出逢うには、もう一ヶ月を要したが。

この時、他にも購入したものはあるのだけれど、初海風號での「戦利品」はこれとしか言い様がない。
何せ売り切れていたのに、カフェで使っていた茶壺を毟り取って来たのだから。
「一個だけなら出してあげるよ」と、設楽さんが言ってくれたのだ。
いやはや、男前。

最初は、しゃおしゃんさんの千年古茶青餅や紅茶、プーアルを煎れたり、青茶を煎れていた。
しかし、いつの間にか煎茶を煎れたり、ダージリンを煎れたり、ウヴァを煎れたり、もう「何でも屋」のような状態になってしまった。
   何故か ?
   使い易いから
単純で力のある答えだ。

当たり前の事だが、道具として使い易いものは相手を選ばない。
見立ては好きでも、中国茶の茶壺を他の用途に使おうとは、それまで思わなかった。
そういう意味では、柔らかい発想を与えてくれた茶壺。
大好きなKahlaとの組み合わせで、今も宇治茶を飲みながら、これを書いている。
白磁という特殊な素材故の柔らかさが、今夜も其の力を発揮している。

      。。。第五ノ話へ続く

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第三ノ話 一緒に買った茶壺 〜茶壺曼陀羅 其ノ三〜

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三つ目の夜のお話は、一緒に買った茶壺の話。
存外やっぱり似ているのだと実感した茶壺の話。

 愛称 :しっぽ
 容量 :110cc
  色 :少し赤の入った焦げ茶
 購入店:竹里館
購入時期:2003年初夏
 値段 :一万円でお釣が来るくらい
 作者 :不明
 用途 :青茶全般
 惚れ点:おちょぼ口な所。べ−グル型な所。
     把手の「くるり」具合。
 弱点 :注いだ時に切れがよくなくて、嘴からの垂れが多い。

うちの連れ合いは、義母が茶道をやっていたせいもあり、茶に対する理解がある。
一緒に楽しんで飲んでくれるし、いきなり濃茶オーダーするような面もある。
そして、器道楽でもある。なんて、ありがたい人だろう。ブラボー。

ある日、そんな夫に自分のテリトリーを見せるべく竹里館へ連れ出した。
東京にきて、TCCに混ぜてもらって、だんだん行動範囲が広がり始めた頃のこと。
Aさんとお喋りして、二階席でお茶とお菓子をいただいて、普段いかに楽しく美味しい茶をいただいているかを熱く語る妻(つまり、私)。これぞまさしく、趣味の押し付け。(笑)だって、楽しい事は分かち合いたい。嫌がってないとは思うのだけれど。

その時に、一階の茶器のコーナーで、二人して目を付けたのがこの茶壺。
この茶壺に関しては、こちらを見てもらった方が、特殊な形態が分かり易いかと思う。
掌(たなごころ)に納め、慈しむように撫でる。
まるで、小鳥が手の平で羽根を膨らませて鎮座しているような可愛らしさ。
尻尾の特徴的な部分も気に入った。

早速、購入し連れて帰ってお茶を楽しむ。
あれやこれや茶壺の気に入った部分を誉めたたえながら、使ってやる。
こういう所の趣味が似ているのは、本当に嬉しい。
一人の楽しみが、二人の楽しみになる瞬間。
そんな幸せを噛み締めさせてくれる茶壺に、拍手。

第三ノ話、茶壺の話に見せ掛けて、実は只の惚気話。
御容赦!

      。。。第四ノ話へ続く

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第二ノ話 憧れた茶壺 〜茶壺曼陀羅 其ノ二〜

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二つ目の夜のお話は、憧れていた茶壺の話。
京都から連れて来た思い出の茶壺の話。

 愛称 :奇古堂さん
 容量 :80cc
  色 :明るい朱泥
 購入店:いただいたもの 出自は奇古堂のもの
購入時期:2002年早春
 値段 :不明
 作者 :不明
 用途 :台湾の半球状茶全般
 惚れ点:おちょぼ口な所。
     茶葉の量が少なくて済む点。
 弱点 :容量が少な過ぎるので、辛い時も。

京都に住んでいた頃に、通った茶館は主に二件。
一件は北山のラ・メランジェさん、もう一件は先斗町の茶香房 長竹さん。
特に長竹さんとは奇妙な御縁で繋がって、頻繁に長っ尻させていただいていた。
開店当初は、先斗町みたいな大人の行く街に子供の私が出入りして良いものかと、ドキドキしながら通った。
いつの間にか街はこなれ、先斗町の凛とした空気は観光客にも馴染む柔らかいものに変わっていた。
そこで使われていたのが、この茶壺と同じ奇古堂の茶壺たち。

通い始めた当時は、奇古堂のことも沈さんのことも知らず、ただただ、ままごとみたいに小さくて可愛い茶壺に心奪われた。(余談だが、奇古堂の茶壺に「女の子が好きそう」という形容が連想されるのは、この“おままごと”というモノがポイントではないかと思う。)
また、オーナーである長竹さんの見立ての茶器の組み合わせの粋にも魅せられた。
基本を崩す美しさ、というのは、ここで見せていただいたように思う。

そして、いつか5年の歳月が過ぎ、私がこの街を離れる時に。
同じく長竹というお店を愛する、とある方から、結婚祝に奇古堂の茶壺をいただいた。
いただいた数ある結婚祝の中でも、心から嬉しかったものの1つである。

今、生まれ育った街を離れ、こうやって東の國で生きている。
けれど、この小さな茶壺を安南焼の小皿に載せて、煎茶杯とならべれば。
湯気の向こうに一枚板のカウンターと、先斗町の灯りを思い出す事もできる。
そして、「ただいまです〜」と言いながら、あの格子戸を開ける日を夢想する。

古郷は遠くにあって憶うもの。


      。。。第三ノ話へ続く

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第一ノ話 初めての茶壺 〜茶壺曼陀羅 其ノ一〜

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最初の夜のお話は、初めて買った茶壺の話。
少し可哀想な茶壺の話。

 愛称 :さかな
 容量 :200cc
  色 :濃い暗めの茶
 購入店:京都市北山のラ・メランジェ
購入時期:西暦1999年辺り
 値段 :\5,000-でお釣がきたような気が。。。(失念)
 作者 :不明
 用途 :主に台湾半球状茶(多分)
 惚れ点:まぬけな魚の線画
 弱点 :容量に比して注ぎ口が細い。
     口が小さくて、大きな茶葉が入れにくい。

これを買った当時の私は、お茶を飲み始めて約半年〜一年。
六大茶を一通り体験し、家でも自分でお茶を煎れる事が楽しくなり始めた頃。
好きなお茶は淡い文山包種や鳳凰単ソウ。
でも、単ソウに蜜蘭香や黄枝香など色々な種類があるのは、まだ知らなかった。
茶壺で茶の味が変わる事なんて、想像さえつかなかった。
普段は常に蓋碗を使っていた。

ぶっちゃけ、この茶壺にベタ惚れしたわけではなく、とにかく茶壺と言うものが欲しかった。
それも、道具としての茶壺ではなく、「中国茶」というもののシンボル的なものとして。
何でもスタイルから入ろうとするのは、昔からの悪い癖。
当時、雑貨屋に並び始めたばかりの清香の茶器にも心引かれつつ、でも、そこらで誰でも買えるようなシンプルなものは嫌で。
そんな時に、お茶会の時にメランジェさんで見たのがこの茶壺。

土も形も知らず、ひっくり返して水平になるのが良い茶壺、くらいの情報しか持っていなかった。
ひっくり返しても平にならないし、良いのか悪いのかよく分からない。
でも、微妙な笑える線画の鯉の愛らしさと値段に、まぁイイかと思った。(気がする)
オーナーの松宮さんの選ぶものへの信頼感もあったから。

実際、そんな動機で買った茶壺なので、使用頻度は少な過ぎる程少ない。
口が小さくて、単ソウ等の開いた茶葉が入りにくかったのも一因か。
使わないのも可哀想なので、先日のフリマ茶会で手放そうと思ったが、結局売れ残ってしまった。
なんだか、哀しい茶壺である。ごめん。


      。。。第二ノ話へ続く

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茶壺曼陀羅 〜七つの茶壺の物語・序章〜

“茶壺曼陀羅”
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昨今、あちらこちらで、茶器考察が繰り広げられ、非常に面白く読ませていただいている。
読みながら、ふと己の茶壺遍歴を振り返ってみた。
中国茶と向き合うようになって、約六年。
存外、茶壺は増えていない。
手放したものも、壊れたものもなく、もらったものなど含めても十個しかない。

その中でも、愛して、惚れて、買ったものたち。
そんなものたちの物語を一つずつ紡いでいこうかと。
七つの夜に問わず語りの七つの茶壺のお話を。

まずはお披露目。
お暇な方は、どうぞおつき合いの程を。

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リニューアルを考える 〜ブログを特化する〜

“ここではない どこかへ”
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ブログのリニューアルを考えています。
見た目ではなく、コンテンツについて。

このブログを始めたきっかけは、「画像のある日記」を始める為。
おおよそ10ヶ月使って来て、どうせブログを使うならピントを合わせないと、と考えます。

結局、やりたいのは
 1 中国茶
 2 写真
 3 だらだら文章
の3本。

でも、3本ブログをやる根性はないのですよね。
なので、写真を別にして、ついでに本家Gallery “Me”も統合してしまおうかなと。
で、そっちは不定期更新で。
だからといって、「画像のある日記」を止めるわけではなく、ですが。

言うとやらなくちゃならなくなるので、こうやって公開して自分を追い詰めてみることに。
さて、有言実行になるように頑張りますか。
まず、どこ使うかから探さねば、なのですよね〜。

あ、あと、ついでにこの日記の名前も変えたいのです。
名付け親募集中。コメントくださりませ。ぺこ
「まめ」の一言が入ってると嬉しいです。
我が儘なので、自分で考えちゃう可能性もありますが。(苦笑)

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菊花茶@秋味ブログ

“菊花茶”
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菊花だけで飲む事は、普通ないのだけれど。
桂花やら、菊花やら、中国茶は秋の装いが似合う花が多い。
工芸茶で、錦上添花ってのも秋味向けかも。

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やっと見せられる美味しいもの

“もちもちお焼き”
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9月にお仕事モードで写真を撮っていた時に、差し入れで戴いたのがコレ。
青柳さんのレシピに漸く掲載されたので、お披露目です。
嗚呼、黙っているのが辛かったですわぁ。(笑)

写っているのはカレー味の方の試作品。
レシピは試作から進化して、推測するにもう少しサッパリ目になったのでは?と思います。
「米をつく」という発想と、大人にも子供にも受けそうなのが流石プロだなぁ、と。

夫用に家でも作ってみるつもり。
多分ね、好きだと思うんですよ。
なんたって、カレーだし。ふふ。

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ちなみに

“南ぬニライカナイにて”(携帯画像)
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元画像

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そんな時でも美味しいものは

“南ぬニライカナイにて”(携帯画像)
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全く重なる時は重なるもので、残業してヘロヘロ〜と帰ろうとしたら、目の前で交通事故が発生。
目撃者兼通報者として動けず、更に遅くなる帰宅。
こういう時は、無意識に物凄く緊張しているようで、ヘロヘロ度アップ。
あ、事故は怪我人のみだったのが、不幸中の幸い。

すっかりヤられて帰って来た妻を見て、夫が美味しいもんを食べさせてくれました。
相変わらず激うまい沖縄料理を食べていたら、みるみる元気になる現金なワタクシ。
本当に美味しいものは、人にこれだけの力を与えるのだなぁ。
さんぴん茶を飲みながら、すっかり御満悦。

どんな時でも美味しいものは、活力の源。
ご飯にしても、お茶にしても。
この原始的なまでの単純さが、私の中の私の味方。

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藍の月

“水没する月”
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Formosa Tea Connectionにお邪魔して、いただいてきた物は。
平戸焼きの茶杯、福寿山野生茶、そして、いくつかのお茶請けの作り方。
今、そのうちの1つ、エノキの茶請けを食べながら、これを書いている。
お茶が止まらない、エノキも止まらない。

閑話休題。

噂通り?、茶に負ける程たくさんのお茶を飲ませていただいた。
主に中火以上の、偏った選択での試飲。
茶農家のお話やら、音楽の話やら、何やら、他の方が話してるのを聞いてるのも面白い。
気がつけば22時を軽く回ってしまった。

サロンと言う形式、予約やら何やらちょっと敷き居が高く感じる面もあるけれど、この時間を他の人に邪魔されずに過ごせると言うのは、特権ぽくて楽しい。
今回は、沢山の種類のお茶を飲ませていただいたけれど(3人いたし)、数種類のお茶を丁寧に時間をかけて何煎も何煎もじっくり試飲させてもらうのも、贅沢だろうな、と思う。

今夜は、久しぶりに真面目に蓋碗で、ストレートな味わいの茶を楽しんでいる。
杯の中の月を愛でつつ、さて何煎まで飲む事やら。

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初サロン

Formosa Tea Connectionのお茶”
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遂に、Formosa Tea Connectionにお邪魔して来ました。
画像が使い回しですが(厳密には違うけど)、Formosa Tea Connectionの話なのに他の画像は使えません。
そんな風にちゃんと書かないとな、と思えるサロンでした。
こだわりつつ、ニュートラル。大人だなぁ。

詳細は、また。

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闘う身体

“スジコたらふく飯”
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インフルエンザの予防接種を受けたらば、腕が腫れて熱を持ってしまいました。

看護婦をやってる友人“み”嬢に聞けば
「今そこで、インフルエンザ菌と“恵”菌が闘ってるんだよ〜
 “恵”菌、本人に似て強いから大丈夫だよ〜♪」
と言われてしまいました。
せめて、ヘルパーT細胞とか言うてくれや、専門家。(苦笑)

インフルエンザの予防接種、そろそろ打っておいた方が良いそうです。
冬の準備、始め頃ですかね。

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シルエット@秋味ブログ

“秋桜便り”
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秋の日暮れの醍醐味は、グラデーションの美しさ
遠くの国のあの人の 便りが嬉しい秋の影

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茶托の存在

海風號の非売品茶托(裏面)”
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茶托は、お茶を飲む時に決して必要不可欠なものではない。
でも、何となく良いのを見かけると欲しくなってしまう。

茶托があると、ちょっと真面目にお茶を飲んでいる気分になる。
正当感というか、非日常の割り増しというか、何だか背筋がのびるような感覚。
如何に普段、だらだらと茶を飲んでいるかばれてしまう発言だが。

中国茶を飲むには、最低、茶壺(または蓋碗)と茶杯があれば事足りる。
否、極論すれば杯一つあればいいのかもしれない。
だからこそ、こういう物たちの存在が、お茶の時間の方向や雰囲気を決めたりしてしまうのか。

道具の味わいも、ひとつの味の要因。
そんな当たり前に、ふと目を向けるきっかけの茶道具。
そんな茶托の存在の小さな重さ。

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飲まれた。。。

“林檎の樽の香のお酒”
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久しぶりに、、、そう、東京に来て以来初、酒に飲まれた。(笑)
量としては、そうは飲んでいないのに、やられた。
自己制御範囲内の酔いだから、まぁ、セーフかな。
疲れてんのかしら。

寝るべ。

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明日も出勤

“店先自転車”
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いつもなら、週末のんびりモードが、明日は出勤でしょんぼりモード。
しかも、土曜日は電車のダイヤが違うから早起きしないといけないのです。
朝辛いよなぁ、なんでこんな朝弱いンだろう。。。
確かに低血圧ではあるのだけれど。

血圧と言えば、健康診断。
夫と私のほぼ同時期に測った総コレステロール値が、50くらい違いました。
概ね同じもの食べてるはずなのに、謎。

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秋も眠い

“朝露”
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いつも嗜眠傾向にあるのですが、ここんとこ眠さ爆発。
春眠不覚暁とは言いますが、私は秋も眠い。
しかも寝ても寝ても足りない気がする癖に、夜更かしなんですよね。
ちょっと、阿呆ですよね、早よ寝ろっちゅーねん。

さて、朝の写真を撮る為には、早起きしなくちゃ遅刻するわけで。
朝露の為に、早寝しましょう。
おやすみなさい。(いやもう、早くないけど)

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美味しくないお茶を語るナンセンス

海風號にて”
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この表題、自分の首を絞めている自覚はあります、勿論。(笑)
でも、まぁ、語ってみようかと。

基本的に、可能な限り、美味しい茶の事は書いても、不味い茶の事は書かないようにしています。
書く時は、「私の好みじゃない」って書き方するように気を付けて。
(作りが粗雑とか、屑茶だとか、変なもんが入ってるとか(笑)は別です。)

例えば、焙煎の浅い若々しい印象の上等の青茶を、私は生臭くて好ましくないと感じます。
でも、それを横で素晴らしい香りと飲み口、と絶賛して飲んでいる人もいるわけで。
それって、単純に好みの問題ですよね。
主観に物凄く左右される、それは当たり前のことだから、私のマイナスは貴方のプラスかもしれない。
だから、私のプラスは提示しても、マイナスは見せなくても良いかなと。
それで、気を悪くする人が出る事もありますし。

あと、わざわざ目くじら立てて悪口書くのも大人気ないと思うのですね。
あのお茶、まずいで!と書き立てるは、格好わるいで!と。
嘘つけ言うてるんと違いますよ、言わんでもエエことあるんちゃうかな、と思うだけです。
なんかね、うまいことよぉ言いませんけど。

で、なんで、何時の間にか、関西弁やねん。(笑)

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樹影@秋味ブログ

“京都 詩仙堂にて”
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ある日突然、戦うのがイヤになりました。。。。。
の、CMのコピーに心打ち抜かれ、秋のある日に訪れました。
男前な事を言う人の庭は、思いのほか繊細でした。

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ピアス

“飴玉のようなピアス”
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ピアスの穴を開けて、もう10年近くになる。
3つめの穴を開けようと何度か目論み、親やら夫やらに阻止されて(笑)
結局、右耳に1つ、左耳に1つのノーマル・ピアスである。

起きてる時も、寝ている時も、風呂に入る時も、仕事の時も付けっ放し。
ある意味、何よりも自分に近しいモノかもしれない。
これに準じるものって、結婚指輪くらいしかないかな。
なんか、そう考えるとちょとエロいアクセサリーかも。

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欲望

“秋の夜長のマッコルリ”
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牡蠣が食べたい
大粒の生牡蠣にレモン絞ってじゅるんと
食べたい 食べたい

そんな衝動を誤魔化すために
今夜は牡蠣フライ てんこもりに揚げました

何方か関東近辺で牡蠣の名産地、教えてください。
まじで。

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