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第二ノ話 憧れた茶壺 〜茶壺曼陀羅 其ノ二〜

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二つ目の夜のお話は、憧れていた茶壺の話。
京都から連れて来た思い出の茶壺の話。

 愛称 :奇古堂さん
 容量 :80cc
  色 :明るい朱泥
 購入店:いただいたもの 出自は奇古堂のもの
購入時期:2002年早春
 値段 :不明
 作者 :不明
 用途 :台湾の半球状茶全般
 惚れ点:おちょぼ口な所。
     茶葉の量が少なくて済む点。
 弱点 :容量が少な過ぎるので、辛い時も。

京都に住んでいた頃に、通った茶館は主に二件。
一件は北山のラ・メランジェさん、もう一件は先斗町の茶香房 長竹さん。
特に長竹さんとは奇妙な御縁で繋がって、頻繁に長っ尻させていただいていた。
開店当初は、先斗町みたいな大人の行く街に子供の私が出入りして良いものかと、ドキドキしながら通った。
いつの間にか街はこなれ、先斗町の凛とした空気は観光客にも馴染む柔らかいものに変わっていた。
そこで使われていたのが、この茶壺と同じ奇古堂の茶壺たち。

通い始めた当時は、奇古堂のことも沈さんのことも知らず、ただただ、ままごとみたいに小さくて可愛い茶壺に心奪われた。(余談だが、奇古堂の茶壺に「女の子が好きそう」という形容が連想されるのは、この“おままごと”というモノがポイントではないかと思う。)
また、オーナーである長竹さんの見立ての茶器の組み合わせの粋にも魅せられた。
基本を崩す美しさ、というのは、ここで見せていただいたように思う。

そして、いつか5年の歳月が過ぎ、私がこの街を離れる時に。
同じく長竹というお店を愛する、とある方から、結婚祝に奇古堂の茶壺をいただいた。
いただいた数ある結婚祝の中でも、心から嬉しかったものの1つである。

今、生まれ育った街を離れ、こうやって東の國で生きている。
けれど、この小さな茶壺を安南焼の小皿に載せて、煎茶杯とならべれば。
湯気の向こうに一枚板のカウンターと、先斗町の灯りを思い出す事もできる。
そして、「ただいまです〜」と言いながら、あの格子戸を開ける日を夢想する。

古郷は遠くにあって憶うもの。


      。。。第三ノ話へ続く

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Comments

お言葉に甘えて、再びおじゃまします。 一つだけお聞きしたい事がありまして。

奇古堂のおちょぼ口茶壷の使い心地ですが、あのおちょぼ口からの水切れはよろしゅうございますか?
茶杯に注ぐ時、短い口は エイヤッ! とはならないのでしょうか。?
私もおままごと大好き、前から欲しかったものですから、水切れが良ければ、清水から飛び込もうと思いまして。

Posted by: いとはん | 2004.11.17 at 09:35 PM

ども、こんばんはです。

おちょぼ口は、普通の茶壺並みに切れるので問題ないと思います。
なんと申しますか、放物線になるので平気、というのでしょうか。
おちょぼ口が微妙でしたら、他のデザインのものも使い良いですし。

惚れちゃったら、清水の舞台から飛び下りるのも快感です。(笑)

Posted by: | 2004.11.18 at 12:09 AM

決めかねていた時の、背中の一押しです
清水から飛ぶ事にしました。

象潟や  雨に西施が ねぶの花               
奥の細道よりお礼まで。

Posted by: いとはん | 2004.11.18 at 09:32 PM

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