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アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌

“スペイン アンダルシアにて(既出)”
B1069

東京国立近代美術館で開催中の展覧会、アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌を観に行って来た。ブレッソンの写真は、何必館で観て以来。
ヴィンテージプリントが出ること、出品点数が多いことなど、かなり楽しみにして行ったのだが、期待通りの素晴らしい展覧会だった。

1930年代から90年代までの写真が、国別・テーマ別に展示されていて統一感があって観やすい。
国別の分類では、例えば30年代の写真と60年代の写真が混ざっていたりして、カメラの精度の進化が如実に見られたりして、そう言う面でも面白い展示だと思った。

白から黒への階調の美しさは言わずもがな。
何気ない一瞬、ニヤリとするウィットのある一瞬、報道カメラマンの視線がちらつく一瞬、厳かな一瞬、創られた一瞬、嗚呼これらは確かに決定的瞬間。

ヴィンテージプリントはやや劣化が感じられるものの、焼きの強さとそれを相殺する柔らかな色調のバランスが特徴的。 相反するものを内包する不思議さ。焼きが強くても影が全く潰れていない、きちんと壁の木目まで写っている。恐ろしいほどだ。
モダンプリントと比べて、絶対にヴィンテージの方が良い!というのではなく、“この作品はモダンプリントの方があっている”とか“これはヴィンテージの方が雰囲気とマッチする”と言う感じ。
そう言うのを見比べる為に、会場内をぐるぐる回るのも楽しかった。

あと撮影の年代のせいか、それぞれの民族の特徴が、現代より色濃く出ている気がする。
昔は地球は広かったのだな。

好きだったのは、戴冠式で寝こけて滑り落ちたお兄ちゃん、薔薇水売りのお姉さん、スペインの子供達、カフェのテーブル、線路と橋と2人の男、ベルリンの壁をのぞく3人の男、階段からの自転車俯瞰、イギリス淑女達、枝垂桜に支えの木、ライン川下り、etc.etc.

ただ、図録が全作品を収録しておらず、文章の多いものだったのが残念。
別に学習院大の教授のエッセイなんか読みたかねぇや、写真が観たいんだよ〜。

会期中に、もっかい観に行こうかな〜。

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