ムンク展@国立西洋美術館
“不安の様な空の色”
国立西洋美術館で開催中のムンク展に行ってきた。(KIMIちゃん、ありがとう)
ムンクの作品は、99年のムンク版画展を見て以来なので、今回はあまりの色彩の多さと明るさに驚く。やはりこの色彩感覚は、北欧的なのだろうかなぁと考える。
以前見た時はムンクの版画の単色で尚かつ無駄なものを削ぎ落とした表現の力に圧倒されたので、今回は同じモチーフが油絵の色の混じりあった複雑さや異様な明るさで表現されていることに若干の戸惑いを覚えた。
勿論油絵なので非常に力強いのだけれど、ファーストインプレッションというのは恐いくらいに刷り込まれているのだなぁ。
今回の展示は、特に装飾画家としてのムンクにスポットを当てたという企画性は面白かったが、如何せんあの画を一面に飾った部屋と言うのは、あまり住みたくないと思うのが偽らざる本音。(苦笑)
だって、「叫び」「不安」「絶望」を中心に両サイドに「死の苦しみ」「屍臭」なんて画のある部屋なんて、、、罰ゲーム(夫曰く)じゃあるまいし。
唯一、フレイア・チョコレート工場の食堂の装飾画は良かった。現物は来ていなかったのでビデオで見たのだが、木の壁に緑を主色にした画があるの光景は落ち着いた雰囲気で、室内装飾として申し分ないと思った。
絵単体として見るなら、「声/夏の夜」、「人間の山」、「太陽(習作)」辺りが印象的。
それから、以前の展覧会で見たリトグラフ「マドンナ」を、再び見られたことが非常に嬉しかった。あの背景の黒に潜むもの、文化の日に考えるには些か不健全なものに潜り込むのは闇く楽しい。
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