怪談牡丹灯籠@花組芝居
“牡丹ではないが”
知人のお薦めと言う事で、ご一緒させていただいた舞台。
花組芝居は初めてなのだが、男ばかりのネオかぶきと言う手法と今回の牡丹灯籠はよく合っていたと思う。非常に面白くて、あっという間の2時間半だった。
牡丹灯籠と言えば件の幽霊話の部分が有名だが、実は仇討ち人情話。
孝助と飯島平左衛門(+お国と源次郎)、伴蔵とお峰(+お露と新三郎)の話が同時進行的に交互に舞台に現れ、一本の話にまとまっていく様は見ていてスゴい。しかも、展開早い割に分かり易いのだ。
で、役者さんの小ネタとか台詞で笑いを取り、全然重くならずにきっちり原作通りの凄惨なラストに持っていく力が恐い。だって敵とはいえ、女の顔なます切りにして首刎ねるってえげつない事をビジュアルできちんと見せているのに、観客はそのシーンを笑って観ている。コレって、スゴい事だと思う。トロカデロ的確信犯。
後、箱を連想させるシンプルな舞台装置で抽象的に部屋やら家やらを見せる手法は、落語の聞き手の想像力に任せる感じと似ていて面白くて好きだ。
役者さん感想。
孝助役の方が小島よしお似なのが気になって仕方なかった。ラストの仇討ちの凄惨さの突っ走りっぷりの真面目さは見事。
伴蔵、色悪。いやはや格好良い。お米の真似をするしゃくれっぷりも素敵。
お露・お米の牡丹灯籠コンビ、カラーンコローン言いながら出てくるネタが可笑し過ぎて、あまり恐くない。そう言う演出なのに、取り殺す時のお面はちゃんと恐いのは反則。
牡丹灯籠が人なのはやられた、いるだけで笑ってしまう。しかもニコニコしてるし。
飯島平左衛門、練れた大人の男の匂いがぐっと来る。
お徳の婆やさんの方の小ネタがたまらなく可笑しい。
お国さん、あの愛嬌たっぷりの憎たらしさが絶品。
馬、可愛い。
こんなに面白いのに空席が結構あって、非常に勿体無い。
週末、お暇のある方は是非足を運んでみていただきたいなと思う。
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