レオナール・フジタ展
“皿とチケット”
「レオナール・フジタ展、良いですよ」と教えてもらって、誰やそれ?と昨年暮れに見に行ってみたら、藤田嗣治氏ではないか。洗礼後のお名前とは存じ上げなかった。
猫好きには外せないと個人的に思っている藤田嗣治氏の絵は何度か見た事がある。
今回は行方不明になっていた大作4点が一挙公開という事でワクワクして観ていたのだが、意外に洗礼後のガラリと作風の変わった後期の宗教画に惹かれてしまった。
オフホワイトのカンバスに、ペン描きにも見えるシャープでありながらグレイスケールの柔らかな描写の若い頃の作品も好きなのだが、後期の顔のパーツの小さい人物像に、色の多用された何とも言えない落ち着き具合がいい。で、同時期に彼が作った衝立や食器などの生活雑貨が、子供っぽいと思えるほどに愛らしく、その二面性も面白く、雑貨類は欲しいと思うものが何点もあって困ってしまった。
印象的だった作品(備忘)
二人裸婦、猫、衝立、フレスコ壁画の為の習作『受胎告知』、キリスト、など。
一番好きだったのは、黙示録3部作。デフォルメされた内容に綿密な描き込み、驚くほどの色の洪水、でも中身は黙示録という、小品なのにまぁ何とも言えない迫力で参る。
帰りは、この展覧会オリジナルの復刻猫皿に飛びつく。
北斎のときのお手塩皿もそうだけど、こういうグッズをもっと作ってくれると嬉しい。
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